庵野秀明総監督作品『シン・ゴジラ』
2016年7月29日に公開を迎え、大盛況のうちに上映が終了した今作は2014年のハリウッド版ゴジラ以来2年ぶり、日本制作作品に限定すると12年ぶりにもなる。
自分は今まで特撮映画作品はそこまで興味が無く、ゴジラシリーズも今までまともに見た作品はほぼ皆無と言っていいほど。
今作は監督にエヴァ、特撮博物館で名を轟かせる庵野秀明監督が初めてメガホンを取るゴジラ作品という事で注目はしていた。Twitterで7月28日深夜の最速上映の感想を見て見事に感化され、29日夕方の回で体験してきた。こいつがとんでもない映画だった。
パンフレット同様にこのエントリもネタバレ注意。
シン・ゴジラを見る事になったきっかけ
ほとんどのゴジラ作品を全編通して見たことの無い筆者にとってゴジラと言えば良くも悪くも大雑把な映画、という認識だった。
昔懐かしアニメ・特撮作品のランキングバラエティなどで映しだされるゴジラの映像と言えば初代の着ぐるみ感満載の映像。子供の頃からCG過渡期の体験をしている同世代の人間だと同じイメージを持っている人は数多くいるのでは無いだろうか。
ハリウッド版などでコテコテにCGが使用されていても脳裏によぎる着ぐるみが視聴意欲を削ぎ落としにくるのだ。今作はTwitterでの最速上映の評判、そして庵野、樋口監督の作品、現代に蘇った原点回帰のゴジラ、という要素が視聴意欲を沸々と沸き立たせてくれ、劇場まで足を運ぶ流れとなった。
イメージに囚われていた2足歩行のゴジラだけではなく様々な形態を持ち、現代日本に振り注いだ想定外な災害。ゴジラが暴れるシーンよか政治家が会議をしているシーンのほうが長いというやっぱり庵野は庵野だと思わせる構成。かと言って陳腐にならず悲壮感すら漂ってくるゴジラの暴走シーン。筆者は東京南部~川崎市あたりが生活圏という事もあって見覚えのある景色ばかり映るので劇場の中でもかなり絶望感を感じていた部類なのでは無いかと思う。
そんなゴジラが破壊の限りを尽くした撮影地点をGoogleマップで振り返ってみました。
Googleマップで見る聖地巡礼
1.呑川遡上カット(大田区 呑川新橋)
四方を北糀谷、西糀谷、東糀谷、大森南に挟まれている産業道路と呑川の交差点『呑川新橋』からのカット。この映像から尾頭ヒロミ環境省自然環境局野生生物課長補佐が巨大生命体が自重にも耐えうる足の存在を指摘、上陸の可能性を導きだすシーン。大量のレジャーボートが(呑川は都に無断で係留を行う不法係留のメッカ)上流に押し込まれ、いよいよ上陸が近いことを予感させる。
2.ゴジラ上陸後カット (蒲田東口商店街 ぽぷらーど)
以外な事に京浜急行バスが撮影によるバス迂回案内の張り紙をバス停に告示したことから今作のタイトルが『シン・ゴジラ』である、という事が発覚した撮影現場となった蒲田駅東口周辺。呑川から上陸したゴジラが最初に襲った街となり、蒲田駅から北に転進、品川方面へと向かった。
3.品川湊 (八ツ山橋 北品川駅近辺)
ゴジラ第一作でも舞台となった八ツ山橋付近。八ツ山橋付近の撮影ポイントは一回目の上陸での戦闘があるため見せ場が多く、撮影ポイントも多い。
・八ツ山橋南東方向の『ライオンズマンション北品川』の屋上から北側、頭を地面スレスレまで下げながらゆっくりと進むゴジラのカット
・八ツ山橋南東方向の利田神社境内から八ツ山方面に向かって北品川橋奥をゴジラが左手から右手に進むカット
・北品川駅前から国道15号(第一京浜)にかかる歩道橋を逃げる住民のカット
・八ツ山橋南の都営北品川アパート北側通路から逃げるアパート住民のカット
・八ツ山橋南すぐの『品川第一踏切』から南方向を向き、ゴジラが立ち上がるカット
・五反田駅上空近辺から三菱開東閣、御殿山トラストタワー、ペアシティルネッサンスを含めたゴジラが停止したカット
・AH-1Sが品川駅上空を低空飛行するカット
・京急八ツ山橋からゴジラに吹き飛ばされ、国道15号上に直撃する京急800形編成のカット
・北品川駅上りホーム品川寄りから北品川駅南の『北品川第一踏切道』を渡る逃げ遅れた住民のカット
・都営北品川アパートをなぎ倒し、品川運河を通り東京湾へと戻るカット(ゴジラが画面側に突入してくるようなカットの時、近辺には実際には無い高規格道路が映る)
これでも一部だと思うが覚えきれない。
ここからゴジラは第二上陸に備え東京湾へ一時的に戻り、再上陸時には鎌倉、武蔵小杉、そして都心へと進行していく…
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