最近、リビングのテレビでの使用を想定した新しいPCを購入しました。
このPCでサインインする際に利用する「Windows Hello」対応IRカメラをAliExpressで購入したのでレビューしてみました。
日本語での記事や動画で情報のある「Windows Updateカタログ」から落としたドライバをインストールすることで動作する、と記載がありましたが、私が購入した現在販売中の製品では説明のあったドライバでは「Windows Hello」対応製品として認識しなかったため、その対応策も含めてレビューします。
リビング用PCに使用する生体認証機器をどうするか
購入したPCは、最近流行りの高コスパな中華製ミニPCで、普段使いはもちろん、重量級のゲームじゃなければ、プレイに支障がないほど快適に動いてくれるスペックです。
私が購入したのは黒色ケースの「MINISFORAM UM773 Lite」ですが、同じスペックで桜デザインのピンク色ケースの「MINISFORAM UM773 SE」は見た目も珍しく、目を引くデザインとなっています。
普段、PCデスクで使用しているPCではWindowsのサインインやWebページのパスワードの自動入力に生体認証を使用しています。
Windowsの生体認証は「Windows Hello」という認証機能に対応したデバイスを用いて行い、スマホと同様に「指紋認証」か「顔認証」が用いられる事が多いです。(「Windows Hello」自体はPINコードでの認証も可能ですがパスワードと同様にキーボード入力となるので手間はあまり変わりません)
数あるノートPCやタブレットPCのラインナップの中には指紋リーダーやIRカメラを搭載し、事前の準備無しに生体認証に対応しているモデルも多いですが、デスクトップでは別途用意する必要があります。
中にはマウスと一体化している製品などもありますが、私はUSB延長コードを使ってデスク上まで伸ばしたUSB端子にドングル型の指紋認証アダプタを接続して使用しています。
指紋認証センサー一体型マウスだとこんなのがありました
デスク上で操作するPCであればケーブルをデスク上まで延長して指紋認証リーダーに指を当てれば問題ないのですが、リビングという使用環境では、モニタから多少距離をとる必要があるので、もしモニタ前まで伸ばした指紋認証アダプタを使う場合は、移動したうえでセンサに触るという動作が必要になってきます。
いっそのこと、USB延長ケーブルで手元まで伸ばすという手段もありますが、リビングという部屋の性質上、家族や自分自身がケーブルに足をひっかける可能性もありますので、これも無しになります。
先ほどのマウスと一体となった指紋認証デバイスを利用する方法もありますが、使用できるデバイスに制限が出るので選択肢からは外れます。(有線マウスなので同じ理由でこれも無し)
そこで顔認証であれば移動せずに認証できるかと考え、「Windows Hello」に対応した顔認証カメラを検討してみました。
ですが、名の知れたメーカーから販売されている機種においてもそこまでの種類が無く、国内の大手ECサイトや価格.comを調べても4000~5000円国内メーカー製の対応Webカメラが2種類と、ロジクール製の対応4K画質Webカメラが25000円程と、選択肢がかなり少ない状況でした。
色々と調べていくと中国大手ECサイト「AliExpress」で販売されている「Windows Hello」顔認証対応の製品をレビューしているPCWatchの記事を見つけました。
AliExpress上では主に2機種が販売されており、どちらも3000円未満で購入できること。Windows Helloに対応したIRカメラとして問題なく使用できる。この2つが満たされるのであれば良い選択肢になるかと思い、似たような製品を購入してみることにしました。
AliExpressで実際に注文
AliExpressで検索してみると同様の機種が複数見つかるのですが、値段とPC接続用のUSBコードが付属している以下の製品にしました。値段は2843円で送料無料。初回注文の割引を含めて合計2268円となりました。
注文から1週間後に到着
注文から1週間後に無事到着し、開封してみました。
何回か中国海外通販を利用したことはありますが、独特の白いビニール梱包ではなく、段ボールのシンプルな梱包で到着しました。このサイズの小包は国内通販だと、まず来ないですね。
中身は保護されたカメラ本体と、PC接続用のUSB-C~USB-Aケーブルです。
特に緩衝材等は同梱されおらず、箱の中でカメラ本体とケーブルが遊んでいましたが、この重量のものであれば別に問題ないでしょう。モニタ上に設置することを考えてUSB-C側はL字コネクタにしました。
カメラ本体のサイズはかなり小型で、テレビモニタ上に置いてもほどんど気にならないサイズです。付属のUSBケーブルは1mほどの長さがありました。
ドライバのインストールを試みるも
早速PCに接続してみます。
先ほどのPCWatchの記事からドライバレスでの運用はできないことは分かっていたため、同じ手順で「Windows Updateカタログ」ドライバのインストールを試みます。
ですが、私の環境では既に最新のドライバがインストールされているとの警告があり、ダウンロードしたドライバのインストールをしてくれない状況でした。
インストールドライバが変更となっている模様
AliExpressの類似品の商品説明やレビューをいくつか見ると、HPのカメラドライバーをインストールする必要があるとの説明がありました。
野良ドライバ等であればウイルスなどを警戒しますが、HPが配布しているドライバであれば大丈夫だろうと考えて、一応裏付けとしてHPの公式サポートサイトなどで同じファイル名で配布しているドライバが無いか探してみることにしました。
色々調べていくと、このIRカメラモジュールは「HP ENVY 17-ae100 Laptop PC」などのHP製ラップトップPCに搭載されるはずだったモジュールのようで、このラップトップPCの配布ドライバに同じファイル名のドライバが無いか探してみたところ「HP TrueVision Full HD (FHD) RGB-IR ウェブカメラドライバー (Windows 10 v1809)」のバージョン「10.0.16299.20038 Rev.A」のファイル名が合致しました。(インストールは自己責任でお願いします。)
結果、上記のサポートサイトのダウンロードページから落としたドライバーをインストールしたところ、「Windows Hello」対応製品として認識されました。
まとめ
無事「Windows Hello」対応カメラとして認識されたので生体認証の設定を行い、WindowsのサインインやWebページのパスワードの自動入力にも設定しました。
パスワードを手入力する必要もなく、1秒以内に認識しており、使い勝手も既製品と変わりないと思います。
一点だけ予想外だったのはIRカメラの認識距離でした。カメラと顔の距離が3mほどであれば認識してくれるかと思いましたが、「もう少し近づいてください」とエラーが出てしまう形でした。これは、この製品に限った問題では無いと思われます。
ですが、手を伸ばす必要が無く、パスワードの手入力も不要で、顔だけを少しだけ前に出して認識させるこの方法が現状では最善だと思います。そのためにも、モニタ上ではなくテレビ台のなるべく手前に設置して使用することとしました。
Webカメラとしての画質はお世辞にも良いものとは思えないため、こちらは使用しないと思います。今後、生体認証を使った認証方法に他の良い方法があれば色々試してみたいと思います。
こういう対応が面倒な場合は、素直に以下のような製品を購入するのをお勧めします。国内サポートもあるのである程度は安心かと思います。