ニュースなどで目にする機会が多い運送業界を揺るがす2024年問題ですが、ネット通販大手の楽天、ヤフーショッピングの開始や、Amazon日本上陸の2000年後前後からすでに20年以上経過してもなお、宅配便の取扱数増加はとどまる様子はありません。
そんな中、我が家の玄関にある呼び出しチャイムを、カメラ付きのテレビドアホンに取り換える工事を行いました。機能の一つである宅配ボックス連携機能を活用し、マンションのメーターボックスを、大きいサイズの荷物も入るセンサー付き宅配ボックスにしてみました。これで2024年問題の一つである「再配達」を減らせるか!?
- 実際のところ、宅配便はどれぐらい増えたのか
- 我が家の呼び出しチャイムをテレビドアホンに交換
- パナソニック製テレビドアホンの型番による機能差
- パナソニック製ドアホンの宅配ボックス連携機能とは
- 開閉センサーをマンションのメーターボックスで活用するには
- 開閉センサーをセットアップする
- メーターボックスでの荷受けにはハードルがある
- メーターボックス+OKIPPAの組み合わせで実現できること
- まとめ
実際のところ、宅配便はどれぐらい増えたのか
昨今、宅配便取扱量は長期間増加傾向という話は様々な媒体で聞きますが、上のグラフの通り2000年の宅配便年間取扱実績数が約25億個だったのに対し、2021年は約50億個と20年近くの間で倍となっています。人口減や人手不足とか関係なくこの増加率は凄いですね。(数値は以下の国土交通省の資料より)
単純な取り扱い数だけを見ても20年で倍となり、2024年には運送業、運輸業に携わる方々の年間労働時間の上限が制限されるという、今まで当日・翌日配達等が行われていたエリアへの配達遅延も容易に予想されます。
荷物を受け取る側として利用を続ける中で問題に対して努力できる部分に【再配達の削減】があります。
具体的に「再配達」の何がどう問題になるか、という話はここでは省略しますが、国土交通省の再配達に関する実態調査では2022年10月期の調査で約11.8%が再配達になっており、2019年10月期以前の調査における約15%前後と比較すると改善はされていますが、全体の宅配便取扱数自体が増加傾向にあると考えれば、再配達数もおのずと増加しているという事になります。(2020年4月期の調査はコロナ禍初期の在宅率が影響して一時的な改善?)
ネット通販大手各社も再配達問題に対して様々なアプローチを展開しており、日時指定配達、PUDOなどの宅配専用ロッカーへの配達、コンビニ受取など、様々な取り組みを行い、受け取る側にとっても便利になっています。
我が家の呼び出しチャイムをテレビドアホンに交換
そんな折、我が家の昔ながらの呼び出しチャイムを、テレビドアホンに取り換えるというイベントがありました。
家族にも相談の上、もろもろの条件は以下の通り。
・国内におけるテレビドアホンは「パナソニック」と「アイホン」が大手メーカー
・持家マンションのため、取付工事、原状復帰等に関して支障は無い
・GoogleやAmazon等のネットワーク経由の無線ドアホンもあるが安定性、即応性に課題や、電池交換等が必要になるため、直接電源供給が行われて手間なく使えるものがよい
・スマホ連携で宅外から自宅への訪問者が分かるモデルもあるが、出先で確認しなければいけない生活スタイルでも無いため、不要
・訪問者の動画記録が残せる機種であること(一部機種は静止画コマ送りの場合もあり)
・モニター親機以外にもモニター付き子機が付属する機種を希望
・パナソニックのあんしん応答モード、宅配ボックス連携に対応した機種を希望
ネット上の情報も含め、メーカーは機能の選択肢も多いパナソニック製のテレビドアホンにしました。 パナソニック製は多機能な分、グレード毎に搭載している機能も微妙異なるため、詳細に比較する必要がありました。
上記グレード機種なら下位グレード機種の全ての機能が網羅されているかと思いきや、意外と抜けている機能(あんしん応答機能、宅配ボックス連携等)などもあります。
各機能の比較で一番便利だったのは、以下のカタログの2ページ目の比較表が分かりやすかったです。
カタログを睨みながら一つに決め、家じゅう「どこでもドアホン」の「VL-SWE310KLA」を選択することとしました。
昔ながらの呼び出しチャイムは、音が部屋の遠くまで通るように宅内側機器(電気式チャイム)の設置位置が天井近くの高い位置にあり、宅内側のモニター親機の高さ、つまり照明用の壁スイッチと同じ高さまで配線を下げる工事と、電源線の接続があります。
そのため、昔から付き合いのある近所の電気屋さんにお願いして設置工事を行っていただきました。(電源線を扱う場合は第二種電気工事士の資格が必要です)
パナソニック製テレビドアホンの型番による機能差
少し話がそれますが、先ほどのカタログにも記載のある通り、パナソニックのテレビドアホンは同グレード帯でもセット品番の違う機種があります。
今回、我が家に取り付けた機種と同グレード(家じゅう「どこでもドアホン」)でも品番によってセット内容の子機が異なります。
使用説明書にセット品番毎の一覧表があり、それに加えて価格ドットコムの発売時期情報を合わせて以下にまとめました。
▼発売時期
・2020年11月中旬発売機種(品番末尾にAが無い)
・2022年10月発売機種(品番末尾にAがある)
▼カメラ玄関子機のレンズ
・標準レンズ(品番にKLが含まれる)
・広角レンズ(品番にKFが含まれる)
▼モニタ付き子機の有無
・子機あり(品番に「SWZ」「SWE」含まれる)
※末尾KLの標準レンズ機種に付属するモニタ付き子機は、ドアホン専用で電話機との接続は非対応
・子機なし(型番に「SVE」が含まれる)
発売時期で末尾の型番が違うものがありますが、機能として何か追加されたわけでも無さそうです。
以下、2020年11月中旬発売機種でリンクを置いておきます。もし、品切れでも型番の末尾に「A」を追加して検索をすれば2022年10月発売機種がヒットすると思います。
広角レンズ玄関子機・電話機ドアホン両対応モニター子機セット(VL-SWZ300KF・VL-SWE310KF)
※この2機種は販路によって型番が異なるだけで、機能差は無いので同一機種のようです。
広角レンズ玄関子機・モニター子機無し(VL-SVE310KF)
標準レンズ玄関子機・ドアホン専用モニター子機セット(VL-SWE310KL)
我が家に設置したドアホンと発売開始時期が異なる同一機種です。標準レンズ搭載機種のため、使い勝手が悪ければ玄関子機のみ広角レンズ機種に付け替えるかもしれません。
我が家の固定電話は同じパナソニック製でしたが、古い機種のため上位の電話機対応の子機セットを購入しても接続出来ないことを事前に確認していました。
標準レンズ玄関子機・モニター子機無し(VL-SVE310KL)
パナソニック製ドアホンの宅配ボックス連携機能とは
パナソニック製テレビドアホンは、同じくパナソニック製の宅配ボックスと連携し、宅配業者の方へ宅配ボックスに荷物を入れるよう案内音声を流し、荷受け時にはドアホンのカメラで録画を行い、宅配ボックスの使用状態をドアホン親機モニターで確認できる連携機能が備わっています。
パナソニックの宅配ボックスは大きく分けて「COMBO」と「COMBO-LIGHT」の2シリーズがありますが、無線接続で連携できるのは品名「宅配ボックスCOMBOーLIGHT(コンボライト)」の品番「CTNR60」シリーズのみです。
有線接続では品名「宅配ボックスドアホン連携専用 COMBO(コンボ)」の品番「CTNR4026RTB」で、こちらはボックスの設置に門柱なども必要になり、かつ有線接続のみになるため、マンションに設置するとなると最初から選択肢になりません。
では「COMBO-LIGHT」ならマンションに設置できるのか、と言われればこれも無理でしょう。
床に固定することを考えると一般的なマンションの玄関前で床にアンカーボルトや接着剤などで固定できるスペースは無く、まず無理です。(こちらも据置用のベースを別途、用意する必要があります)
無線接続で連携するところがポイント
「COMBO-LIGHT」は対応ドアホンと無線接続で連携されるのですが、「COMBO-LIGHT」自体に無線通信機能は搭載されておらず、パナソニックのホームネットワークシステム「スマ@ホームシステム」の構成製品である「開閉センサー」と組み合わせることで連携を実現しています。
両製品は同タイミングで発売されたものではなく「COMBO-LIGHT」が2019年10月頃発売されたもので、開閉センサーの「KX-HJS100」が2015年10月中旬に発売され、当初はドアホンと直接接続する製品ではなく、窓やドアが開閉された事を検知し、警告音を発すると同時に、ホームユニットという親機から無線LANルーターを経由して、ネットワークからスマホへ通知を飛ばすセキュリティ製品としての役割で発売された製品でした。
つまり宅配ボックスの「COMBO-LIGHT」と「開閉センサー」の組み合わせでは、元々のドアや窓の開閉動作の感知機能を、宅配ボックスの使用と、荷物の有無を検知する機能に置き換えられて使用されているようです。
開閉センサー・宅配ボックスの機能を解き明かす
まずは開閉センサーがどのような仕組みで動作しているか解き明かすため、簡単に分かるパナソニックUSAの動画をどうぞ。(違う機種の動画ですが、同じ機能の説明です)
動画中の説明文は英語ですが動作を理解するだけなら読む必要は無いです。
動画中の大きい箱が開閉センサー本体になり通信機能を持っています。そして小さい箱のように見えるものは磁石となっており、どちらも接着剤で扉や枠に取り付けられている事が分かります。
つまり、この開閉センサーは本体と磁石が一定以上の距離を取ると、ドアや窓が開いたと検知する仕組みとなっていることが分かります。
次に宅配ボックスのどの位置に開閉センサー本体と磁石を取り付けているのか確認するため、宅配ボックスへの開閉センサー取り付け動画を見てみます。
STEP4の「開閉センサーを宅配ボックスに取り付ける」のみを見てもらえれば大丈夫です。
宅配ボックスへの開閉センサー本体と磁石の取付は、横並びに取り付けるわけでは無く、磁石と本体を薄いカバーを隔ててズレるように設置しているのが分かりました。また、従来の使用方法で行われていた設置位置関係との違いから、検知には開閉センサー本体と磁石の相対位置にセンサー本体の正面や裏側などの方向はあまり関係が無い事も推察できます。
続けて「COMBO-LIGHT」の印鑑取付作業の解説動画で宅配ボックス内の鍵周辺の仕組みを確認してみます。0:30、0:38頃に一時停止すると、開閉センサーを取り付けた部分のカバー下の様子が分かります。
動画を確認すると、磁石を取り付ける位置はカバー下のメカ機構で外へ付き出た部分となっており、扉の内側から押せるボタンのようになっているのが分かると思います。
実はこの位置、開閉センサーの取付手順の動画でも注釈がありましたが、ボックス内から押せる閉じ込め防止ボタンとなっており、子供などがボックスに閉じ込められた場合に押す事で鍵が解除されて自力で脱出できるボタンとなっています。
その旨、「COMBO-LIGHT」の解説サイトにも案内されています。
次にメカ機構の動作をさらに推察するために配送業者の方向けの利用方法を動画で見てみましょう。
動画を確認する限り、配送業者の方がメカ機構に影響しそうな動作を行ったのは以下の3つのタイミングがあります。
①扉を開ける
②施錠レバーを上げて扉を閉める
③押印・施錠ボタンを押下する
以上、全ての機能と動作をまとめると「COMBO-LIGHT」と「開閉センサー」の組み合わせでは、以下のような動作が実現されていると推測できます。
初期状態では開閉センサーと磁石は定位置にあり、待機状態となっている。
①宅配ボックスの扉を開けると同時に閉じ込め防止ボタンが移動し、開閉センサーと磁石の距離が離れ、ドアホンモニター親機では宅配ボックスの扉の開放を通知し、ドアホン玄関子機を利用して荷受けの様子の録画を開始
②配送業者の方が荷物を入れて施錠レバーを上げて扉を閉める(開閉センサーと磁石の距離は離れたまま)
③配送業者の方が押印・施錠ボタンを押下すると宅配ボックスが施錠される(開閉センサーと磁石の距離は離れたまま)
④ドアホンのモニター親機には宅配ボックスが利用された通知が入っており、宅配ボックス内に荷物がある状態が表示されている(開閉センサーと磁石の距離は離れたまま)
つまり、開閉センサーと磁石が一旦離れると「宅配ボックスが利用された」とドアホンのモニター親機に通知され、磁石が定位置まで戻らなければ、荷物が入った状態を保持し続けると分かります。
逆説的には、施錠されないまま宅配ボックスの扉が閉じられると開閉センサーと磁石が定位置に戻り、「荷物は入っていません」と通知されると推測できます。
あと、元々の使用方法で開閉センサー本体から鳴っていた警告音は無音化されている事も分かります。
開閉センサーをマンションのメーターボックスで活用するには
つまり、マンション等のメーターボックスでは後述の条件が満たされれば開閉センサーを用いてメーターボックスを荷受け検知機能付きの宅配ボックスとして活用できます。
簡単に済ませる場合は、マンションの共用廊下などに折りたためる宅配ボックスを置く方法もありますが、都度設置する手間や、建物管理規約や防犯面、ご近所トラブルなど、様々なリスクも考えられますので、そこを避けたい人には選択肢の一つになるかもしれません。
「COMBO-LIGHT」のような専用品の全機能を実現することはできませんが、あらかじめ宅配ボックスが用意されていないマンションでも、メーターボックスを宅配ボックスのような荷受け場所として用意することで再配達を防ぎ、外出時はもちろん、在宅時で手が離せなくとも荷受けが可能となり、さらにはセンサー機能で荷受けの通知をドアホンで受け取ることができ、利便性が格段に上がります。
メーターボックスの荷受けに関する条件
①メーターボックス内に宅配物を収納できる十分な空間がある
理想は扉の高さが人が出入りできるほどあり、ある程度の奥行きが確保されていて、各種メーターや給湯器によって内部スペースの占有されていない状態が理想です
②管理組合等の規約でメーターボックス内に荷物を置くことが禁止されていないか
③オートロック物件で、外出時に戸別玄関前まで配送業者の方の立ち入りが難しい場合はできることが制限される
オートロック物件は後付けで集合ポスト近辺に宅配ボックスが配置される事も多いため今回やろうとしている事がそもそも不要かもしれません
集合宅配ボックスも荷受け数に限りがあるので、満杯で再配達になってしまった、という別の問題もあるそうですが…
③荷物がある状態でもメーターボックスの本来の利用者である電気・ガス・水道等の検針員の検針作業の邪魔にならず、月に数回ほど検針員がメーターボックスの扉を開けるとドアホンのモニター親機に通知されることを許容できるか
④検針員が利用するため、荷受け後のメーターボックスの施錠はできない
後述する方法で荷物のみを保護することは可能です
⑤対面受け取りでなければ配達できない荷物があることを認識しておく
メーターボックスの扉以上の大型の荷物や生鮮品、本人確認が必要な郵便書留や代引き荷物などは対面受取となります
ドアホンとの連携機能、開閉センサーに関する条件
⑥メーターボックス内の扉に開閉センサーを取り付けできること
詳細な条件は後述します
⑦メーターボックスとドアホンモニター親機の設置位置が離れすぎていない
開閉センサーと通信を行うのはドアホンのモニター親機のため、分厚い遮蔽物や距離が離れていると通信ができない可能性があります(設計上は遮蔽物無しの通信可能距離が100m以内です)
⑧本来の宅配ボックス連携機能である荷物の有無の検知は行えない
今回の方法ではメーターボックスの扉に開閉センサーと磁石を取り付けるので、荷物の有無を判断する機構は実現が難しいです
⑨ドアホン玄関子機のカメラの向きによってはメーターボックスの開閉の様子を直接録画できないことがある
セキュリティ的に不安がある場合は玄関子機を広角レンズ機種にすることや、玄関子機の設置角度を変えるアダプタで調整できます
開閉センサーをセットアップする
条件が満たされれば開閉センサーを購入、導入するだけですが、購入の前に気を付けなければいけないのが、メーターボックスの扉に開閉センサーと磁石が取り付け可能かの確認です。
【注意】
宅配ボックス登録した開閉センサーを「COMBO-LIGHT」以外に取り付ける行為はパナソニック公式が正式な使用方法として紹介しているものでは無いため、補償対象外となる可能性があります。
この記事の内容を参考にする場合でも、各々の環境によって想定通りに動作しない場合がありますので、自己責任でお願いいたします。
開閉センサーの取付可能箇所
パナソニック公式の開閉センサーの紹介ページに取り付け可能なドアについての説明がありましたのでリンク先を確認してみてください。
取り付け例では磁石の取り付け位置が左側、本体の取り付け位置が右側の図しかありませんが、左右が入れ替わっても設置可能です。
取り付け例では、本体左上近くが磁石の定位置として設定されており、左右を入れ替えて設置する場合は磁石の定位置が右下に代わるため、磁石の貼り付け高さを本体の下端に沿って張り付けることになります。
なお、本体には取り外し可能な外装カバーを被せますが、上下逆さまに取り付けることができるため、カバーに書かれた「Panasonic」ロゴが上下反転してしまう事も無いです。
また、メーターボックスの扉は鉄製が多いかと思います。鉄製の扉と枠の場合、磁石を使って検知を行っている都合上、正常に動作しない場合があり、ドア用スペーサーで鉄製の扉との距離を取ったうえで、磁石を取り付ける事になると思います。
まずはテレビドアホンと連携してみる
それでは取り付けていきましょう。まず最初にテレビドアホンと連携させてます。
先ほどの連携方法動画のSTEP1~STEP3までは同じ手順をなぞります。
ここで一つ検証をおこないます。宅配ボックス連携の荷物検知が推察通りであれば、開閉センサー本体と磁石の距離を一旦取った後、再度近づけると「荷物あり」から「荷物なし」へ切り替わるはずです。
推察通り、磁石の位置で荷物の有無を検知していることが分かりました。
後はメーターボックスに磁石と開閉センサーを取り付けて完了です。取り付ける際には接着剤の効果を高めるために、事前に貼り付け面を清掃、脱脂等を行ったうえで取り付けましょう。
メーターボックスでの荷受けにはハードルがある
これで開閉センサーとテレビドアホンの宅配ボックス連携は完了です。ですが、配送業者の方にメーターボックス内に荷物を届けて貰わなければ意味がありません。
この「置き配」という配達場所を指定をするには様々なハードルがあります。
ECサイトが置き配に対応しているか
そもそも、注文するECサイトが置き配での指定を受け付けているかが第一の関門です。
Amazonの場合、商品ページに「この商品は、Amazon.co.jp が販売、発送します」および、発送メールに「Amazonがお届けします」という記載がある商品で、配送エリアがAmazon自社配送便に対応していれば「置き配」の指定はスムーズです。
一方、楽天市場、Yahoo!ショッピング、PayPayモールといったモール型ECサイトの場合は、置き配指定ができる店舗とできない店舗があります。定期的に注文する商品であれば対応している店舗を覚え、習慣として受け付けの有無を覚えておけますが、そうでない場合、その都度、置き配指定に対応しているのを確認するという手間が発生します。
ヨドバシドットコムのエリア限定の自社配送便ヨドバシエクストリームでは公式サイト上などで「置き配」に関する事項については記載がありませんが、ネット上では電話連絡や張り紙で「置き配」対応をしてくれた情報もあり、配送員さんによっては機転を利かして対応していただける場合もありそうです。(時期によって対応が変わる事もあるので、公式サイトで明言してない限り、確実ではありません。)
以上のECサイト以外にも自社配送便を抱えているECサイトはいくつもありますが、ショップごとに対応に差異がある事には変わりないです。
配送業者ごとに事前手続きの有無、指定方法が異なる
ECサイトでの注文が完了し、発送準備が完了して配送業者に荷物が引き渡されたとしましょう。
自社配送サービスを持っているECサイトであれば問題無いのですが、そうでない場合、荷物が受け渡されたのは日本郵便なのか、ヤマト運輸なのか、佐川急便のいずれによって、「置き配」対応している配送サービス、指定方法、指定場所も微妙に異なります。
日本郵便の場合は、2種類のサービスがありますが、いずれも事前準備が必要です。
まず、①ゆうびんIDの登録と居住確認を事前に行った後に使用できる、お届け通知サービス「e受取アシスト」の「指定場所で受け取る」で配達場所が指定できる荷物(ゆうパック)と、②予め配達郵便局に「指定場所配達に関する依頼書」の提出が必要な宅配物(ゆうパケット、ゆうメール、国際郵便物)の2種類のサービスがあります。
ヤマト運輸の場合は提携したECサイトから発送される「EAZY」サービス扱いの荷物であれば「置き配」の指定が可能です。ですが、①ECサイト上での注文時に配達場所が指定できる荷物と、②お届け予定通知(会員サービス「クロネコメンバーズ」又はECサイトの登録メールアドレス宛)が届いてから配達場所を指定できる荷物、という2種類の指定方法があります。これは、注文者がこの2種類から好きに指定方法を選択できるというわけではなく、ECサイト都合で指定方法が決まっいる状態です。
佐川急便の場合は個別契約を結んでいるECサイトからの荷物(飛脚宅配便、飛脚航空便、飛脚ジャストタイム便)が「置き配」指定に対応していますが、ECサイトが佐川急便と提携していても「置き配」指定を受け付ける仕組みになっていなければ「置き配」の対応は行えず、事前のお届け通知サービス上での宅配場所指定もできないです。
まとめますと、「置き配」指定が行えるサービスであれば、日本郵便とヤマト運輸は注文時の指定と、お届け通知での指定の2種類があり、佐川急便の場合は注文時の指定のみで、宅配場所の指定が行える事となります。
福山通運や西濃運輸は記事執筆現在では、個人向け宅配事業より企業向け配送事業を主力としているため、詳細については不明です。
余談ですが、こう見ると配送業者各社が発送元側を重要としたサービス設計をしているのか、発送先を重要とするサービス設計をしているのかが見えて面白いです。
ECサイトと配送業者に左右されずに置き配をしてもらうには
以上のことから、一言に「置き配」といっても注文数が多くなればなるほど、手続きと指定方法が煩雑になり、そういったしがらみを抜きにして、再配達を減らせるようになる方法はやっぱり「玄関前の宅配ボックスに入れてもらう」になるわけです。
ですが、メーターボックスの中にさらに宅配ボックスを置くのは本末転倒だし、まず配送員の方に見つけてもらう事も無いでしょう。
そこで浮かんできたのが「置き配バッグ」という選択肢でした。
置き配バッグ「OKIPPA」という選択肢
「置き配バッグ」で広く知名度があるのは「OKIPPA」ではないでしょうか。
「OKIPPA」の良いところは荷物を入れるまでスペースを取らない折りたたみバッグで、専用の鍵とバッグの組み合わせで荷物の盗難を予防・保護できるというところが一般的に認知されているところかと思います。
ですが、それよりも今回やりたい事で重要なのが、宅配ボックスと同等の配達先として配送業者内でも一定の知名度があり、配送員の方も認知していただいていることです。
これは大手配送業者もそうですが、ECサイト自社配送スタッフでも同様に対応してもらえるところが多いです。
また、日本郵便の場合では先ほどの通り「置き配」を行うには事前手続きが必須になりますが、「OKIPPA」があることで「置き配」が可能な荷物であれば、事前手続き等を省略して「OKIPPAへの預入」で配達完了に切り替えてもらえることです。
メーターボックス+OKIPPAの組み合わせで実現できること
一旦ここまでの内容を整理します。
そもそも、マンションには個々人でセンサー付きの後付け宅配ボックスを取り付けることはできないでしょう。
そこでメーターボックスを活用してセンサー付きの荷受け場所を用意しました。
ですが、荷受け場所として「置き配」指定をするにはECサイト側の「置き配」指定の対応有無、配送業者側の手続き、指定方法と業者によって確認、配送指示等を個別に対応しなければなりません。
もし、玄関前に宅配ボックスが置いてあり、荷受人が不在の場合で宅配ボックス対応の荷物であれば配送業者の方は宅配ボックスに入れ、配達を完了してもらえます。
つまり、メーターボックス内にOKIPPAを置き、その存在が分かるようにすれば、メーターボックスをセンサー付きの宅配ボックスとすることができるわけです。
「メーターボックスの弱点」と「OKIPPAの弱点」をそれぞれがカバー
荷物が配達された後に施錠ができない点がメーターボックスの弱点ですが、そこを「OKIPPA」で荷物だけを保護することで補うことができるようになります。
「OKIPPA」自体は細いワイヤーで固定された薄い布のバッグなので、カッターやハサミを使われてしまうと簡単に盗難できてしまう素材です。ですが、メーターボックス内にただ置かれている荷物と比べれば盗難対策としては十分かと思われます。
さらに、サポートサービスへの登録を済ませてサポートプランへの申し込みを行えば、無料プランであっても上限5000円までの盗難補償があり、有料プランであれば3万円までの盗難補償、付属品や盗難、破損によるバッグ本体の補償もあります。
あまりにも高額の商品の場合は、対面受け取りを指定すれば問題ないかと思われます。
また、宅配バッグの弱点としては、玄関前の良く見える場所に設置しておくと、空き巣や訪問セールスなどのグループに「この家は不在がちなんだな」という印象を与えてしまうことかと思います。
ですが、OKIPPAをメーターボックス内に設置した場合はそういったグループの偵察でターゲットにされる可能性も低くなります。
もし、ガスメーターボックスの中まで扉を開けて偵察する人がいたとしても、開閉センサーでメーターボックスの扉を開閉している様子がテレビドアホンで録画されます。
心配であれば録画した証拠もありますので管理会社、管理人、警察等への相談や顔見知りであれば周辺住民への注意喚起もできます。
メーターボックス内にOKIPPAが置いてあることを配送員さんにどう伝えるか
ではメーターボックス内に「OKIPPA」を置いたとして、それを実際の配送員さんにどう伝えればいいのか。
単純な事ですが、配送先住所の最後に「(メーターボックス内OKIPPA預入希望)」と記載するだけで大丈夫でしょう。
これだけで複雑な事前手続き、注文時の「置き配」対応有無の確認や指定、お届け通知からの置き配場所の指定も不要にできるでしょう。
後は地元の配送業者毎の配送員さんに情報が浸透するまで、いくつかの荷物を受け取り続ければ良いでしょう。
時には配達員さんの配置換え等で、「置き配」可能な荷物でも一時的に対面での受け取りがあるかもしれませんが、「ここにOKIPPAがあるので次回からこちらに宅配してもらえると助かります」と優しく伝えてあげましょう。
全ての「置き配」可能な荷物をOKIPPAに入れてもらうべきか?
ここまでは、あくまで自分で注文した荷物に関してOKIPPAに預け入れてもらう方法となりますが、他人から予告なく配送される荷物の場合はOKIPPAに預け入れしてもうのは難しいかもしれません。
その場合はOKIPPAに付属している「OKIPPA預入時チャイム不要」シールをドアホンに取り付け、配達員の方向けのメッセージとして「メーターボックス内に置き配バッグ(OKIPPA)があります」といった張り紙等をインターホンに張り付ければ対応していただける場合もあるでしょう。
その代わり、「OKIPPA」の存在を配達員以外の方にも知られてしまう、という防犯としての弱点が少し表れてしまう事は認識する必要があると思います。
ただ、そういった荷物は「OKIPPA」で受け取るより、対面で差出人等を確認し、お中元やお年賀等で中身が分かるものであれば受け取る方が良いと思います。
また、昨今ではAmazonのマケプレで注文した商品が注文直後にキャンセルになり、注文金額と比べて高額な値段で代引き荷物として届く「送り付け詐欺」が発生しているそうです。
www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp
そういった荷物は代引き支払いが必要なため、「OKIPPA」への預け入れはされません。
常日頃、OKIPPA預入を利用することで、対面での受け取り荷物に対する差出人の確認や、身に覚えのない代引き商品の受け取りに警戒が可能となるかと思います。
印鑑の設置について
ここまで印鑑の設置について触れてきていませんでしたが、コロナ禍での非対面配達が浸透した影響で、各配送会社がサインや受取印の省略、もしくは配送員の代理印での配達完了が浸透してきています。
OKIPPA預入であれば受取印が必要な荷物でも受取印の省略ができるので、防犯の意味でも、メーターボックス内に印鑑を設置する必要は無いかと思われます。
まとめ
以上、「メーターボックス」を「センサー付き宅配ボックス」にしてみた、でした。
運用していくうちに色々な問題は出てくるかと思いますが、やりたかった事は実現できたので満足です。
地域によってはメーターボックスの仕様や、配送員さんの「OKIPPA」の認知度合も色々と変わってくるかもしれませんが、参考になれば幸いです。
繰り返しになりますが、宅配ボックス登録した開閉センサーを「COMBO-LIGHT」以外に取り付ける行為はパナソニック公式が正式な使用方法として紹介しているものでは無いため、補償対象外となる可能性があります。
この記事の内容を参考にする場合でも、各々の環境によって想定通りに動作しない場合がありますので、自己責任でよろしくお願いいたします。